睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠中に息が止まったり(無呼吸)、呼吸が浅くなる(低呼吸)ことを繰り返す状態のことで、一般的には無呼吸ないしは低呼吸が1時間平均で5回以上の場合を睡眠時無呼吸症候群と呼びます。
日中の眠気や体のだるさ、起床時の頭痛だけではなく、長期的には高血圧や心筋梗塞、脳梗塞になるリスクが高くなることが分かっています。
このような自覚症状がある方や、周囲からいびきがひどいと指摘されることが多い方は一度検査をうけてみることをおすすめします。
検査
まずは自宅で受けられる簡易検査をうけて頂きます。
この検査は手の指や鼻の下にセンサーを付けていつも通り寝て頂くだけのもので、主にAHIの値(10秒以上の無呼吸・低呼吸の頻度)を測定します。
- 140≦AHI の場合
- CPAPによる治療の適応になります(健康保険がききます)。
- 220≦AHI<40の場合
- 精密な睡眠検査(PSG)を追加で受けることをおすすめします。
- 35≦AHI<20の場合
- 口腔内装具(マウスピース)を考慮します。
CPAPとは
鼻に装着したマスクから持続的に空気を送ることで、空気の通り道が閉塞することを防ごうという治療で、ほとんどの方で無呼吸・低呼吸の回数が劇的に減ります。
昼間の眠気などの自覚症状も大半のケースで改善がみられ、高血圧や心筋梗塞などの危険性も睡眠時無呼吸をもっていない人と同じ程度になるとされています。
また、最近の機種は静音化が進んでおり、騒音で眠れないというケースはまれです。
CPAPの問題点
- あくまで対症療法であり、基本的には一生継続する必要がある。
- モチベーションの維持が大変。
- 個人差はありますが慣れるのに1~2か月要する場合もある。
- 健康保険がききますが、ルールとして月1回の受診が必要となります。
費用は健康保険3割負担の方で5,000円ほどです。
精密な睡眠検査(PSG)について
20≦AHI<40の場合、即CPAPの保険適応にはなりません。
病院に紹介させて頂き、一泊入院でPSG検査をうけて頂きます。
簡易検査とはことなり、体や頭に検査用端子をつけて寝るというもので、AHIの測定に加えて、眠りの質や体動なども評価します。
この検査では、簡易の睡眠検査よりもAHIの数値が高く判定される傾向があり、20≦AHIの場合、CPAP治療の適応(保険がきく)となります。
簡易検査と精密検査ではCPAP治療の適応基準がちがうところがポイントです。
口腔内装具(マウスピース)
検査の結果、CPAP治療の適応にならない場合に考慮するものです。
歯科・口腔外科に紹介させて頂きます。
お子さんの睡眠時無呼吸について
アレルギー性鼻炎や風邪などで起こっている場合はまずは原因の改善をめざします。
ただ、扁桃腺の肥大やアデノイド(鼻の奥にある扁桃腺の親戚のようなもの)の増殖が原因となっているケースでは程度によっては手術が第一選択となります。
大人のように、CPAPをつけて眠ることは難しいことが多いです。